【上海/サークル紹介】ひまわり文庫
2024年9月に設立5周年を迎え、約5000冊の蔵書と様々な活動を通して子どもたちに日本語の読書環境や文化、体験を提供し続けている「ひまわり文庫」さんをご紹介します。
どのような活動をしている団体ですか?
「子ども図書サークル上海ひまわり文庫」として、週2回(火・土)午前中に開館し、主に日本語の書籍(赤ちゃんから小学生向けの絵本や児童書、子ども向け雑誌、育児書、英語・中国語の絵本も所蔵)の貸出しをしています。
上海に住む子どもたちが、充分な量の日本語の本を通して豊かな心や知識を深める環境を整えること、季節の行事、本を通して日本語のリズムの美しさや日本文化に触れる機会を作れるようにと活動しています。
例えば、「おはなし会」とい読み聞かせの会を月1~2回程度開催しています。中国らしい季節のイベントなどをおはなし会で紹介することもあります。また、長期休暇の際に子どもたちが参加できる催しの企画・開催もしています。
立ち上げのきっかけは?
2019年の夏に、上海の浦西地区で日本語の絵本や児童書に触れる場であった児童文庫が閉館になりました。子育て中のパパ・ママや有志が、日本人コミュニティに呼びかけ、会員自身で運営する児童文庫として活動をスタートしました。
会員の入れ替わりや、日本の本が簡単には手に入らない状況もありましたが、「子どもたちに本を届けたい」という多くの会員の思いで現在まで活動が続いています。
2023年4月に、全員参加型の活動であることを強調するため、「子ども図書サークル上海ひまわり文庫」へ改名しました。会員がより楽しみながら参加できるサークルとして、日々の活動に取り組んでいます。
全員参加型とは?
上海ひまわり文庫は会員による自主運営で、利用者とスタッフの区別はありません。
入会時に「運営」「おはなし会」「蔵書」「受付シフト」の4つのグループから好きな分野を選択して活動します。そして、活動の中で会員同士の交流にもつながっています。
おはなし会グループは、おはなし会に使う季節の工作の準備や当日は読み聞かせの際の読み手になったり、司会をしたりします。
受付シフトグループは、開館日当日の開館・閉館作業や、本の貸出サポートを行います。
蔵書グループは、本を新しく購入する際の情報収集や寄贈いただいた本の選別を行い、本のクリーニング、ブックカバーかけ、登録作業を行い書架に並べます。
運営グループには、各グループのリーダーが所属しており、文庫がより良い形で活動が継続できるよう毎月ミーティングを行っています。議事録は会員の皆さんに開示し、どんな活動を行っているか透明化しています。対応に困った時には会員が会員を助ける仕組みを目指しています。
また、運営のために年会費 200元/1口を集めて(1口=6冊貸出可能)、活動費や新しい本の購入費用に充てています。新しく本を購入する際は会員のアンケートを基に選び、所属グループ関係なく手を挙げた人が選書を担当します。
そして、サークルのため、来期の活動予定・規約の変更・会計の収支報告などは、年に一度会員総会を実施し、会員の承認を得た上で活動をすすめています。
平日と週末の週2回の開館に合わせて入会見学説明会を月2回以上実施しているので、ぜひ一度遊びに来てください。
読書環境以外にも、体験や交流の機会が得られそうですね
そうですね。長期休み時期には、普段1口6冊の貸出を10冊に増やすことで読書環境を大切にすることはもちろんのこと、工作イベントや文庫のお仕事体験などの子ども向け企画を開催しています。
そのほかに、おはなし会開催時等には子ども自身(親子でも)が読み手となってお話することもあり、子ども達も夢中になって参加してくれています。
他にも食事会や、アニバーサリー企画、文庫内の大掃除なども開催しており、会員同士の交流の機会もあります。
参加者の声をお聞かせください
Aさん
2年前会員になった当時は、上海に来たばかりで知り合いもおらず、2歳の次男と日本人交流を求め文庫に通っていました。読み聞かせやしおりを作るイベント、不器用ながらも蔵書活動に参加をすることで小さいお子さんから小学生のお子さんをお持ちの会員の方々と交流する機会が増え、人との繋がりが上海生活に置いての基盤作りになくてはならないと感じました。
Bさん
ひまわり文庫が発足した当初からの利用者です。2023年3月まではボランティアだったので運営も手探りの状況だったことを記憶しています。多くの人がより良い文庫を作るために時間をかけて考え、相談し5年続いたと思っています。文庫の魅力は、約5000冊の中から日本語の本が借りられ、本を通して人との繋がりができることだと感じています。サークル化されたので、活動をする必要がありますが、強いられることはないので空き時間に友達に会いに行く感覚で活動に参加することが出来ています。
Cさん
上海に帯同してすぐ、口コミで文庫の存在を知り、未就園の子どもを連れて参加しました。手のかかる時期の子どもを連れての活動参加には不安もありましたが、細かな作業の多い蔵書作業の際にも、私にも出来る範囲での作業を任せていただいたりと、あたたかな配慮が嬉しかったことを思い出します。作業中には生活面における雑談をすることが多いのですが、買い物をどこでしているかであったり、おすすめのお店を話したり、その他子育てや子どもの習い事に関しても情報交換でき、作業の中に楽しさもたくさんあるなと思い今も参加しています。
Dさん
子どもに本を好きになってもらいたいという想いから、日本でよく図書館を利用していましたが、上海に帯同することとなり新しい本があまり読めなくなる不安を感じていました。なので、ひまわり文庫の見学の際に、日本でも人気の本を含めて想像以上にたくさんの本があり感動しました!なかなか本を気軽に買ったりすることができない中で、たくさんの種類の本から選べる喜びを感じました。
また、私の性格上、子ども関係のお付き合いやマンションの中などでしか交友関係が広がりにくかったのですが、ひまわり文庫での活動に参加する中で、子どもの年齢もそれぞれ違う、また違うエリアに住んでいる仲間ができてありがたいなと思っています。
今後の展望を教えてください
2024年9月にひまわり文庫は5周年を迎えることができました。 5周年を迎えるにあたり、ひまわり文庫の軌跡をまとめた『5年間のあゆみ』を発行しました。文庫の立ち上げに関わってくださった方々、大切な本を文庫へ寄贈してくださった方々、場所を提供してくださる学校関係者の方々、そして、ひまわり文庫の活動趣旨に賛同し、共に文庫を築き上げてきた会員の皆さんがいるからこそ、活動を継続することができているのだと感じています。
これからも、上海に住む子どもたちが充分な量の日本語の本を通して、豊かな心や知識を深めること、また日本語のリズムの美しさや日本文化に触れる機会を一緒に作っていきたいと考えています。『子ども図書サークル上海ひまわり文庫』をこれからもよろしくお願いします。
----
取材にご協力いただき、誠にありがとうございました。
最後に…
こんなボランティア団体があるよ!やっているよ!参加したよ!の声も
よろしければお声がけください♪
↓中国ボランティア情報シェアグルチャのグルチャへの参加方法
https://volarepo.themedia.jp/posts/44978747
0コメント