【ボランティア団体紹介】NANKA NANIKA(北京)
北京で、スキルや経験を生かしたイベント・ワークショップの
企画・運営をしている団体「NANKA NANIKA」(ナンカ ナニカ) さんを取材させていただきました。
どのような活動をしている団体ですか?
イベントやワークショップなどの企画・運営及び情報提供を行っています。
メンバーが持つスキルや経験を活かし、メンバーが主体となって自発的にイベントなどを手がけています。
現在定期開催中のイベント
・キッズ&親子アクティビティイベント
・多言語(日中英)絵本の読み聞かせ
・疲れたママを癒すハーブボールワークショップ
・言語研究者によるバイリンガル教育に関するセミナーなど
「何かしたいけど今の自分に何ができるかわからない」「スキルを活かす場所がない」「交流の場を広げたい」「スキルのブラッシュアップをしたい」「ママとしてではなく一人の人間として社会的な繋がりがほしい」「海外滞在中自分の可能性を広げたい」「新しいことへ挑戦したい」など動機やモチベーションは人それぞれ。
「NANKA NANIKA」はそんな漠然とした「なにか」を具現化できる場所です。
このコミュニティではルールは特に設定されていません。メンバーがそれぞれ自発的に動き、試行錯誤し、協力し合いながらひとつのものを作り上げていく、いわばチームのようなコミュニティです。
立ち上げのきっかけや経緯、大切にしていること
2022年のコロナ禍の規制でみんなが心身ともに疲弊していた中、私も例外ではありませんでした。外国人という立場で思い通りにいくことのほうが少なく、慣れない生活に加え、外出規制、2人の年子を自宅で育てていたので、心身に不調をきたしました。このままでは生活が崩壊するのではと思ったほど、当時はストレスマックスの状態でした。
しかし、このような状況に陥っているのは私一人ではないということを肌で感じました。“もし同じ思いを持っている人がいれば…”そんな希望を持って、大きな日本人ママグルチャに思い切ってメンバーを募ったのがきっかけです。
何をするのか、何ができるのかなど全く決まっていない状態で完全な見切り発車だったにもかかわらず、一緒にやりたいと声を上げてくださる方がいました。メンバーとともに、まずはコミュニティ名を決めるところから始まりました(笑)
こうしてうまれたのがこの「NANKA NANIKA」。スタートアップメンバーで決めました。
このようなスタートの経緯もあり、このコミュニティは「みんなで作り上げられたもの」そして「みんなで作り上げていくもの」というスタンスが定着しました。
誰がリーダーということもないため、誰かが何かをしたいと声を上げれば、みんなでアイデアを持ち寄り、頼もしい広報メンバーが毎回素敵なフライヤーを作成してくれ、イベントを終えての報告やフィードバックまでメンバー内でシェアしています。
あえて「ルールを設定しない」というやり方がこのコミュニティではうまく働いていると感じています。
当たり前ですが、ルールがない=何をしてもいい、ということではありません。このような素晴らしい土台が出来上がったのは、メンバーそれぞれが責任と節度を持って向き合っているからこそだと思っています。
そして何より、自由であってほしいと思うのです。楽しいことをするうえで、窮屈な環境では楽しいことも全力で楽しめません。この「ノールール設定」を今後も基盤にしながら、このコミュティがどのような形に成長していくのか、私自身楽しみでもあります。
具体的なボランティア活動はどのようなものですか?
現時点でメンバーは24名。大きく4つの部門に分かれています。広報を除いた1,2,3の各運営部門からは平均して月に一回の頻度で、何かしらのイベントやアクティビティが開催されています。
1.キッズアクティビティ部門
2.教育部門
3.美容健康部門
4.広報
1.キッズアクティビティ部門では、季節のイベントや親子で楽しめるアクティビティを企画、運営しています。
公園ピクニックや手形足形アートなど、中国の生活の中で子どもとの思い出になるような素敵な企画が毎回アップされます。
2023年7月5日に開催予定!
2.教育部門では、日本語、中国語、英語これら3か国の言語を使った「多言語絵本読み聞かせ会」を始めとし、言語教育の研究者が子どもの言語に関するセミナーやイベントを開いたりと、子供のための学びはもちろんのこと「親のための学び」も提供しています。
3.美容健康部門は最近立ち上がった部門で、セラピストとして日本で活躍していたメンバーが、自分のスキルブラッシュアップを目的に、疲れたママたちをマッサージやハーブなどで癒してくれるという、ママには嬉しいワークショップを定期開催しています。
4.広報は、実際に仕事で広告を作っていた経験があるメンバーもいれば、未経験でも好奇心と新しいことへの挑戦をモチベーションにして活躍しているメンバーもいます。いつも企画の良さが最大限に引き出されたフライヤーを作成しています。
メンバーのほとんどは、夫に同行して北京へ来た駐在妻たちです。ご存知のように、就労ビザを持たない立場で個人が収入を得ることは原則違法なので、ほぼすべてのイベント参加費は無料です。参加費が出た場合は場所代や材料費などの必要経費のみです。
運営側も、自身のスキルアップ、経験値アップやプロボノ活動の一環として、誇りをもって楽しみながら活動しています。運営以外のメンバーも、それぞれのその時の都合で、できる人ができる時にヘルプに回ったりと、サポートし合いながらひとつのイベントが成り立ちます。
どんな方にボランティア活動に参加してほしいですか?
少しでも興味関心を持っていただけたすべての方。「何かしたい」「アクションを起こしたい」そんな思いを持っている方、大歓迎です。
参加にあたり必要な資格やスキル等は一切ありません。よく耳にするのが「特別な資格やスキルをもっているわけではないので、何ができるかわかりません」という言葉です。
しかしその自分でもわからない「なにか」を一緒に見つけていくことも、この「NANKA NANIKA」の活動のひとつでもあります。
ビザの問題上簡単には働けない、不自由を感じる、何から手をつけていいかわからない。私たちの生活は何かと不自由を感じることが多いですよね。しかし今抱えているそれらすべてのマイナスをプラスに覆して「ブランク」を「チャンス」にしてほしいと思っています。
ボランティア活動中の方の声をお聞かせください。
★キッズ親子イベント担当Kさん
未就園児親子へのイベントを担当しています。
私は保育士資格などを持っている訳でもなく、ただやりたくてやっているので毎回試行錯誤ですが、参加者の「楽しかった」「今度も来ます」「こういうイベント助かる」といった声を聞けるととても嬉しく、やりがいを感じます。
一緒に企画しているメンバーや当日お手伝いしてくれるメンバーと作り上げていく達成感は、日々駐在妻として過ごしているだけでは得られない魅力です。それに加え、企画側の私たち自身も、自分の子供と試作などして準備から楽しめていることも更なる魅力だと感じています。
私自身、現在未就園児を育てていますが、児童館のように気軽に行ける場所がない環境下で、親だけの都合で出かけるのではなく、子供も楽しめ、親も気持ちが軽くなるそんな時間はとても貴重で不可欠だと思っています。そんな時間を提供するなかで、みなさんの北京での生活や子育てがもっともっと楽しくなれば何よりの幸せです。
★多言語読み聞かせ担当Mさん
NANKA NANIKAの活動で最も魅力的なことは、ママとしての自分が社会と繋がりを持てることだと思います。育児に奮闘している間、なかなか社会と接することがなく虚無感を感じる毎日でしたが、NANKA NANIKAと出会って充実した日々を送ることができるようになりました。
イベントに参加してくださったママさんやお子さまに「参加してよかった」と言って頂けると何より嬉しいですし、やりがいを感じます。そんな活動をしている自分自身も楽しいです。
大変だったことは実はまだありません。これから活動の中で、大変なことも出てくるかもしれませんが、上記に記載させて頂いた魅力がそれを上回るように思っています。
これからもNANKA NANIKAを通して、自分自身、ママとして成長していきたいです。
これから予定されている活動や考えていることなど今後の展望を教えてください。
今自分が置かれている場所のある行動範囲よりもさらに広い視野をもって、多種多様な繋がりができるきっかけ作りをしたいと思っています。さらにはそこで得た経験が未来の自分へ繋がればそれほど嬉しいことはありません。
■今後予定しているイベント
・「七夕イベント」 7月5日開催(6月28日の雨天延期分)
・親のためのセミナー「バイリンガルについて知る」7月8日(土)
・ママもほっと一息、一緒に吞みませんか?ママ交流会ランチイベント7月中旬頃
★NANKA NANIKAさんへご連絡ご希望の方は
WeChatID: mamamia0586 へご連絡ください。
◎リポ部より
取材にご協力くださりありがとうございました!
活動の根底にあるという言葉が印象的だったので紹介します。
「日常のやらなければならない事だけに留まるのではなく、北京での生活をより楽しみ、彩ることを大切にしています。この活動・経験を活かして、帰国後、もっと先の人生をより豊かにしていけるように!そんなきっかけになればいいと思っています」
・取材中「NANKA NANIKA」では、生活を第一に考え、チームでフォローしながらイベントの企画や運営を進めているというお話が印象的でした。
体調不良や不慮の事態は誰にでも起こり得ることを前提に、休む・やらないという決断をネガティブに捉えず、選択肢の一つとして日常生活や家庭を大事にしながら、やりたいことをカタチにしていく活動、とても素晴らしいなと感じました。
・北京では、北京ママ会350名、北京井戸端会430名というグルチャはあるものの、個々のスキルを活かしたボランティア活動をされている方の集まりや団体にアクセスしやすい状況ではなかったそうです。無いなら作ってしまおう!と立ち上がられたそうです!すごい!
・平日やオンラインのイベントもありますが、休日開催のイベントは家族で参加できる形で不定期に開催しているそうです。運営者も家族で参加したり、パパが参加してくれて「とても興味深い活動」と興味を持ってくださる方も多いそう。素敵ですね♪
あえて厳格なルールを作るわけではなく、縛られず、自由な発想で、個々が生活の中や将来のために必要と思うことをカタチにしていく。そんな中で生まれる発想やイベントだから個々が楽しんで活動されているんだな、と感じました!
各部門で更に幅を広げ、深みを増し、必要に応じて企業とのコラボや、アカデミックに深めていく、海外だからこその悩みや課題も解決していけるようなイベントも今後展開していきたいそうです!これから渡航される方の目にも触れていただけるようにも準備していかれたいとのこと。
ますます目が離せませんね!
最後に…
こんなボランティア団体があるよ!やっているよ!参加したよ!の声も
よろしければお声がけください♪
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